芦屋のクラシック音楽コンサートホール

兵庫県芦屋市東芦屋町3-9
TEL:0797-55-0730

イベント情報

2018年09月

2018.09.17

イヴ・アンリ教授リサイタル

 

夜空に蒼く輝く月、その光に照らされた白い雲片。その下に広がる喜びの島、月の光が島の稜線を照らしている。海はどこまでも暗く黒く底に向かって天に向かって神秘の光を放っている。海上に生起する寄せては返す虹の波。岸の高台で水を吐く噴水。独り高く上がっては崩れ落ち水盤を満たす。水の反映である。これはドビュッシー没後百年を記念して私が描いた絵の詩的散文である。

今日のイヴアンリのピアノを聴きながら絵に共通しそうな楽想に思いを馳せていた。ショパンがピアノの詩人と呼ばれ、画家のドラクロワと色彩感について多いに論じ合ったように、ショパンの後継者のドビュッシーもまたいかに音で色彩を出すかで苦しんだようだ。イヴアンリの演奏を聴いていると 、曲の楽想がそもそも脳裏になければ、それを表わす色彩感も何もあったものではない。音楽を志ざす人は音楽以外にもっと詩や文学や絵画にも関心を示すべきではないかなと思った。天に向かい、水底に向かって放つ神秘の色は最弱の、音の無い長い音ではないだろうか。
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