芦屋のクラシック音楽コンサートホール

兵庫県芦屋市東芦屋町3-9
TEL:0797-55-0730

イベント情報

2004年09月

2004.09.17

154. クラッグ・シェパードピアノリサイタル

 154. Craig Sheppard Piano Recital

 クラッグ・シェパードピアノリサイタル
2004年9月17日(金)15:00~Salon Collina
酷暑もようやく去りいよいよ秋の気配が感じられるようになった今日、来日三回目のクレィグ・シェパードが芸術の秋にふさわしいピアノ芸術の真髄を聴かせ聴衆を魅了した。
1972年のリーズ国際コンクールで銀賞を受賞したクレィグ・シェパード氏は世界的に有名なピアニスト、ルドルフ・ゼルキン氏やパブロ・カザルス氏とマールボロー音楽祭で共演した仲であり、また20世紀クラシック界の大御所、ゲオルグ・ソルティ氏指揮の楽団と共演した著名なピアニストである。最難解といわれる曲もその驚異的な卓越した知性と技法で見事に弾いてみせる。このような小さな個人サロンでこのような偉大な世界級音楽家が演奏してくれるのはまことに光栄の極みである。
過去二回もそうだったが、今回もまた彼は私を有頂天にさせてくれた。大きなジェスチャーはないが、息もつがさぬ速さでキーボードの上を走る二つの手はまるでリスのような小動物が二匹、急停止してはまた走り出す様に似ていた。そんな両手が楽想の詰まった大木、ピアノから音を削り取っては音の大鋸屑(おがくず)を作る。見る見る中に堆積するその音のおがくずの中で、私はその香に咽び酔っていた。ピアノは彼の身体の一部である。それは彼の外にある楽器というより彼の内にある感情器だ。悲喜こもごもの感情を、手を通じて外在するピアノに伝えるというより、内在する感情器から手を通じて彼の外部に送り出す。その感じが私にはピアノから音を削り取るように響いたのだ。美しい旋律の中に浮き上がるミューズの女神に乾杯。
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